日本風俗史学会は、風俗史を総合的に研究する日本唯一の学会として昭和35年(1960)11月に設立しました。日本は、古代から近代までの資料が豊富なこと、またその内容が多様でしかも比較的純粋な姿で保たれてきたことから、「風俗」を研究する上でたいへん恵まれていると言うことができます。
人びとの生活文化の表現である「風俗」を歴史的に明らかにするには、従来のように歴史学の中の小さな分野にばかり閉じこもっていては不可能です。そのためには歴史学を中心にそれと関連する各分野の研究者との連携を強化し、情報交換を充分に行い、時には共同して研究できるような連絡組織をつくることが何よりも必要であると思われます。
このような趣旨のもと日本風俗史学会は風俗史研究者のための全国的な組織として結成され、研究者相互の連絡を取りつつ、広い視野から生活文化の歴史を研究し、その水準を高めて行こうとする学会です。学会の活動としては、機関誌『風俗史学』の刊行と毎年秋に開催される大会発表において風俗史研究の最新の成果を会員ならびに一般社会に広く公表しています。全会員には毎月の会報によって学会が主催するさまざまな催し物や、北海道・東北、関東、中部、関西、九州の各支部をはじめ、各分科会の研究会や講演会など幅広い活動のご案内をお届けしております。
創立以来、長年にわたるこれらの研究活動等の成果により、平成元年より本学会は「日本学術会議の研究登録機関」として認められ、平成17年からは「日本学術会議協力学術研究団体」として改めて認可を受け、今日に至っております。
日本風俗史学会では会員の優れた業績に対して学術賞を授与する制度があります。会員が公表した著述・論文のうちから風俗史学研究に著しく貢献した業績に対し、本会の創立者故江馬務先生からの基金を基とする「江馬賞」を、染織関係の優れた研究業績に対し「野口眞造記念染織研究奨励賞」を贈り、その成果を表彰して風俗史学研究の向上に努力しています。また、平成4年からは機関誌『風俗史学』への掲載論文をはじめとして、会員が他紙に執筆した論文・著作の内容を含め、優秀で将来性ありと認められた成果に対して「研究奨励賞」を授与して、風俗史研究の推進と活性化に寄与しようと努めております。
日本風俗史学会は、このような幅広いメンバーと組織を持つ学会です。日本の風俗史学発展のために、生活文化に興味と関心のある方々のご参加を、心からお待ちしております。
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